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吉澤 道夫; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 根本 久*; 吉田 真
Radiation Protection Dosimetry, 110(1-4), p.81 - 84, 2004/09
被引用回数:3 パーセンタイル:23.52(Environmental Sciences)原研・放射線標準施設棟(FRS)にはコンクリート減速中性子校正場が整備されている。この場は、コンクリート壁及びブロックで囲まれた狭い空間の中にAm-Be線源を置き、散乱中性子により種々のスペクトルを作り出す場である。この場の中性子スペクトルをボナー球(BMS),球形反跳陽子比例計数管(RPC)及び液体シンチレーションカウンタ(NE-213)により測定した。BMSの結果とRPC及びNE-213による結果はよく一致した。そこで、BMSの結果から基準線量当量率を求めた。また、基準個人線量当量率を求めるために、中性子フルエンスの入射角度分布をMCNPモンテカルロコードを用いて評価した。その結果、散乱中性子はさまざまな角度で入射しており、これを考慮すると、基準個人線量当量率は、角度分布を考慮しない場合に比べて10-18%小さくなることがわかった。
堀 順一; 佐藤 聡; 山内 通則*; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
JAERI-Research 2003-002, 50 Pages, 2003/03
本研究では、低放射化フェライト鋼(F82H)と酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼に対してD-T中性子照射を行い、逐次反応によるCo生成実効断面積を測定した。F82H,ODSフェライト鋼に対するCo生成実効断面積は、鉄の約1.5倍となった。さらに、6種類の核融合炉材料(鉄,銅,バナジウム,チタン,タングステン,鉛)とF82Hに対して、水素化合物との接触面領域での逐次反応実効断面積の分布を測定した。水素化合物との接触面で逐次反応率は同一材料の場合と比べて20倍以上となり、F82Hに対しては50倍となった。核融合冷却水配管表面で生成されるCoによる放射能は、1次中性子反応で生成されるMnによる放射能の3~10%に至ることを示した。逐次反応実効断面積を(n,xp), (p,n)反応断面積,陽子放出スペクトル,陽子阻止能を用いて評価し、実験値との比較を行なった。
堀 順一; 前川 藤夫; 和田 政行*; 落合 謙太郎; 山内 通則*; 森本 裕一*; 寺田 泰陽; Klix, A.; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 63-64, p.271 - 276, 2002/12
被引用回数:2 パーセンタイル:17.03(Nuclear Science & Technology)核融合将来炉の廃棄物処理及び安全設計を推進するためには、核融合炉材料に対して一次中性子反応のみならずシーケンシャル反応による放射能生成過程を考慮することは重要である。特に冷却材の水によって多数の反跳陽子が生成される冷却管表面においては、シーケンシャル反応によって望ましくない放射化物の生成が顕著となることが懸念される。このような背景から、本研究では冷却水を模擬したポリエチレン板に核融合炉材料箔(V,Fe,W,Ti,Pb,Cu)を層状に積み重ねた試料に対して14MeV中性子照射を行い、シーケンシャル反応生成物である51Cr,56Co,184Re,48V,206Bi,65Znの実効生成断面積及び生成量の深さ分布を求め、計算値との比較を行った。現在解析中であるため、結果は講演にて報告する。
松林 政仁; 日引 俊*; 三島 嘉一郎*; 吉井 康司*; 岡本 孝司*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 463(1-2), p.324 - 330, 2001/05
被引用回数:17 パーセンタイル:73.21(Instruments & Instrumentation)高速中性子ラジオグラフィは高速中性子の物質に対する透過率が熱中性子よりも大きいことから工業製品の非破壊検査手法として期待されている。高速中性子の検出法には金属箔を用いる転写法、トラックエッチ法、シンチレータを用いるフィルム法等があるが、最終的な画像取得までの所要時間、高速中性子ビームに含まれる線に対する感度等の点で一長一短がある。このため、X線、線等の好感度二次元放射線検出器として開発されたイメージングプレート(IP)の高速中性子ラジオグラフィへの適用を試みた。高水素含有樹脂と高速中性子との反応により発生する反跳陽子をIPで記録するとともに、重ねたもう1枚のIPを用いて画像処理により線の補正を行った。鉛、アクリル樹脂等から構成されるサンプルを高速中性子炉弥生で撮影した結果、の補正が適切になされた高速中性子ラジオグラフィ画像を得ることができた。
西谷 健夫; 河西 敏; 井口 哲夫*; 高田 英次*; 海老沢 克之*; 北 好夫*
Review of Scientific Instruments, 68(1), p.565 - 568, 1997/01
被引用回数:5 パーセンタイル:46.16(Instruments & Instrumentation)現在広く使用されているイオン温度測定法である荷電交換分光法(CXRS)は、ITERでは、計測用中性粒子ビームがプラズマ中心部まで到達することができないため、使用が難しい。中性子スペクトルのドップラー巾からイオン温度を測定する方法は、ITERにおける最も有効な測定法と考えられている。ここでは反跳陽子法に基づく中性子スペクトロメータを開発し、それを用いた径方向中性子スペクトロメータアレイの設計を行った。このスペクトロメータは、ポリエチレン薄膜から散乱される陽子をマイクロチャンネルコリメータを介して半導体検出器で測定するもので、14MeV中性子に対し、2.5%のエネルギー分解能が得られた。
明午 伸一郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 401, p.365 - 378, 1997/00
被引用回数:60 パーセンタイル:95.79(Instruments & Instrumentation)7Li(p,n)反応から生成する25,30及び65MeV準単色中性子を用いてNE213の検出効率と応答関数を測定し、SCINFUL及びCECILコードによる計算値との比較を行った。その結果、SCINFULによる検出効率の計算値は実験値と実験誤差内で一致したが、CECILによる計算値は実験値に比べ20%大きくなることがわかった。この原因は、SCINFULで使用される炭素の荷電粒子放出断面積は実験値と良く一致するのに対し、CECILで使用される断面積は実験値より5倍以上も大きいためである。また応答関数の比較から、SCINFULによる重陽子の発光効率に問題があることがわかった。そこで、MurayとMeyerの経験則を用いて、陽子の発光効率から重陽子の発光効率を作成した。新しい発光効率を用いたSCINFULによる応答関数は、実験値をよく再現した。
西谷 健夫; 井口 哲夫*; 海老沢 克之*; 北 好夫*; 河西 敏
JAERI-Tech 96-038, 29 Pages, 1996/09
ITERにおけるイオン温度測定を目的とし、反跳陽子法に基づく新型のDT中性子用スペクトロメータを開発した。このスペクトロメータは、ポリエチレン薄膜から入射中性子によって散乱される陽子をマイクロチェンネルコリメータを介して半導体検出器で測定するもので、2.5%のエネルギー分解能と10counts(n/cm)の検出効率を得られる。ITERでは、この中性子スペクトロメータを生体遮蔽の外に5チャンネル配置し、イオン温度分布を測定することを想定している。半導体検出器の照射損傷について中性子のモンテカルロ計算により評価し、ITERの運転環境において1年程度の寿命があることを示した。
西谷 健夫; 井口 哲夫*; 高田 英二*; 金子 純一; 河西 敏; 的場 徹
Proc., Workshop on Diagnostics for Experimental Thermonuclear Fusion Reactors, 0, p.425 - 434, 1996/00
核融合プラズマから発生する中性子のエネルギースペクトルからイオン温度を測定することは核融合研究の初期から提案されていたが、NBI等の追加熱プラズマでは、中性子のスペクトルが直接イオン温度を反映しないため、現在の大型トカマク実験ではほとんど使用されていない。しかし、自己点火を行うITERでは、現在イオン温度測定の主流となっている荷電交換分光法が、光学部品の放射線損傷等により実現困難なため、中性子スペクトル測定が最も有力なイオン温度測定となっている。講演では、ITERの各極より提案されている中性子スペクトル測定法をレヴューするとともに、日本で設計を進めている、反跳陽子型中性子スペクトル測定装置について紹介する。
今野 力; 前川 藤夫; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.745 - 752, 1995/00
中性子輸送計算コードとJENDL-3.1の核データの検証のために、D-T中性子源を用いて、銅に関するベンチマーク実験を行った。実験体系は、直径629mm、厚さ608mmの銅平板で、D-T中性子源から200mmに設置された。数keV以上の中性子スペクトルとNb(n,2n)Nb,In,Au(n,)Au等の放射化反応率を14mmのNE213、小型の反跳陽子ガス比例計数管、放射化箔を用いて測定した。実験解析は、DOT3.5とMCNP-4で行い、核データセットはJENDL-3.1から作られたものを用いた。また、DOT3.5の場合は、群定数による自己遮蔽の影響も調べた。すべての計算は、測定された10MeV以上の中性子データと10%以内で一致した。自己遮蔽の影響は0.1MeV以下で現われ、その補正が不十分であることが明らかになった。また、10MeV以下の中性子データに関しては、実験と解析の間に30%以上の差があり、JENDL-3.1の銅のデータにまだ問題があると考えられる。
前川 洋; 大山 幸夫; 田中 俊一
Proc. of the Topical Meeting on New Horizons in Radiation Protection and Shielding, p.611 - 618, 1992/00
1981年4月のFNSの完成以来、核融合炉の開発のための遮蔽実験を実施してきた。それらは、(1)コンクリート、鉄及びSUS316L体系でのバルク遮蔽実験、(2)2種類の大口径ダクト、小口径ダクト、マルチスリット及びオフセットリットによるストリーミング実験、(3)大きなコンクリートを用いたキャビティ実験、である。また、1991年からはITER/EDA計画に貢献するため、新たなバルク遮蔽実験を開始した。
今野 力; 池田 裕二郎; 小迫 和明; 大山 幸夫; 前川 洋; 中村 知夫; Bennett, E. F.*
Fusion Engineering and Design, 18, p.297 - 303, 1991/12
被引用回数:16 パーセンタイル:83.01(Nuclear Science & Technology)D-T中性子入射による大型円筒鉄体系内低エネルギー中性子スペクトルの測定を小型の反跳陽子比例計数管(PRC)を用いて行った。鉄体系の大きさは、直径1m、長さ95cmで、この体系をD-T中性子源から20cmの距離にセットした。測定点は、D-T中性子源から、19, 31, 41, 51, 61, 81, 101cmであった。PRCの高電圧を連続的に変える新しい測定システムを用いて、実験の効率化を行った。JENDL-3をベースにしたFusionJ3を用いたDOT3.5による計算値と実験値との比較から、次のことがわかった。(1)体系前部では、400keV以上で計算値は実験値と一致したが、400keV以下では、計算値は2倍程度過大評価した。(2)体系後部では、100keV以下で、実験と計算の一致は良くなるが、100keV以上では、計算値は約0.2の過小評価であった。
大部 誠; 一守 俊寛*
JAERI-M 8919, 44 Pages, 1980/07
反跳陽子スペクトロメー夕の応答関数をSnidowの解析的な方法を用いて求めた。計数管の不感領域の影響を取扱うため、計算は管端に不感領域をもつ円筒二領域モデルについて行った。メタンおよび水素計数管のwall-and-end応答を陽子エネルギーの関数として5MeVまで求めている。計算結果から、wall-and-end効果を受ける応答のうち不感領域から発生する陽子事象の占める割合は、平均的に約15%であることが判明した。 得られた応答関数は、FCAの測定反跳陽子エネルギー分布に対するwall-and-end効果の補正に適用している。補正に関するunfoldingの手順および定量的な補正量を検討し、それらの補正が導出中性子スペクトルにおよぼす効果について詳述している。
大部 誠
Journal of Nuclear Science and Technology, 17(6), p.471 - 473, 1980/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.29(Nuclear Science & Technology)FCA VI-2集合体で測定されている中性子スペクトルに検討を加え、スペクトルの計算結果と比較した。測定データは、反跳陽子計数管法とダブルシンチレータ法による測定から得られた結果を使用した。計算は、セル計算プログラムSP-2000と詳細群断面積ライブラリーAGRI/2を用いて行い、算出した1950群および64縮約群スペクトルを使用した。C/E値は64群幅で求めている。測定データのうち、エネルギー範囲5keVから6MeVまでを計算結果と有効に比較している。各群のC/E値からみて、計算スペクトルは実験スペクトルと10%程度またはそれ以上の相違がある。特に鉄および酸素の大きな共鳴附近の相違が大きい。
大部 誠
JAERI-M 8327, 55 Pages, 1979/07
反跳陽子計数管法によりFCA集合体VI-2およびV-2炉心中心の中性子スペクトルを測定した。製作した小型円筒計数管は、磁器加工金属被膜被覆型のフィールド・チューブを設えている。充填ガスとして使用した水素とメタンは、電気的負性の不純物を除き計数管の分解能を上げるため純化した。ガンマ線誘起バックグランドは、ディジタル演算器と二次元波高分析器を用いた波高分別法により除去した。スペクトル測定のエネルギー範囲は2.5KeVから2MeVである。測定のエネルギー分解能は2MeVから5KeVにいたるまで10%(FWHM)かそれ以下であった。測定結果は、セル計算プログラムSP-2000および詳細群断面積ライブラリ-AGRIを用いた計算結果と比較している。比較の結果、測定と計算の中性子スペクトルの一致は、鉄と酸素の大きな共鳴付近を除いて、5KeVから2MeVの範囲で良好である。
大部 誠; 白方 敬章; 一守 俊寛
Journal of Nuclear Science and Technology, 16(5), p.329 - 343, 1979/05
被引用回数:3FCA臨界集合体VI-2およびV-2炉心中心における中性子スペクトルを、反跳陽子計数管法により測定した。製作した小型円筒状計数管は、磁気気密端子に金属被膜加工をしたフィールドチューブを備えている。計数管の分解能を上げるためのガス純化、ディジタル演算器および二次元解析の使用によるn-波形弁別、主増幅器および計数管のガス増幅度の種々の設定による広エネルギー領域測定を行っている。中性子スペクトルの測定は2.5keVから2MeVまでの範囲で行い、エネルギー分解能は5keVに至るまで10%(半値幅)またはそれ以下であった。測定した中性子スペクトルは、セル計算プログラムSP-2000および詳細群断面積ライブラリーAGLIを用いた計算結果と比較している。